2018.09.28

地域食材生産者インタビュー/農事組合法人New Innovation 鈴木敏弘さん

いつでも安定的に

ねぎを栽培し、届けたい

 


農事組合法人New Innovation代表理事、鈴木敏弘さん

 

若い力を集結し

ねぎを年間供給

 

千葉県の九十九里、山武郡横芝光町でねぎに特化した生産を行っています。

千葉県はねぎ産地として全国的に有名で、横芝光町も主要な産地の一つです。ねぎは水はけの良い土壌が適していて、海岸線の砂地はねぎ栽培に向いています。

父親が農業をやっていましたが、家族だけでやっていくのは限界があると感じていました。自分が引き継いで12年ほど経ちますが、最初から人を雇う仕組みを作ろうと考えていました。

この町でも高齢化や後継者不足などの問題が多く、私と同年代や少し下の世代から、将来の不安や経営について相談を受けていました。若い世代の受け皿を作る仕組みを作らないと町が廃れていくという危機感がありました。

ねぎの年間供給をすることを念頭に、法人として作ったものを自分たちで売っていこうと、2018年1月に立ち上げました。平均年齢は30歳前半。雇用を前提として、組織として成長できるようにねぎ生産に取り組んでいます。

 


出荷されるねぎ。お客様によっては緑葉の部分を落とした状態で届けることも可能。

 


砂地の畑で元気に育ち、収穫を待つねぎ。

 


ハウスではねぎの赤ちゃんが育っていた。

 

お客様のニーズや要望に

対応したねぎ作り

 

個人ではなく業務用に特化して、ねぎを生産しています。例えば、焼鳥屋さんは串にさして焼いても崩れない、巻きが強いものなど、それぞれのお客様の用途に合わせて品種を選び、相談しながら作っています。毎日3トンほど出荷しているのですが、ねぎは種をまいてから7、8ヶ月かかるので、ほぼ毎日、どこかの畑で植え付けをしています。植え付け、管理、出荷、種まきという作業を同時に行っている状況です。

ねぎは冬の野菜で、普通は8月から11月半ばまでは作っていませんが、私たちは年間を通じて生産しています。夏はハウスで遮光して気温を下げたり、水田で作ったりするなど工夫しています。年間を通していつでも安定的に行えるよう、技術力のアップはもちろん生産者全員の情報を共有し、畑の状況などがすぐにわかるようになっています。

極力農薬を使わずに栽培し、収穫したら土壌分析をかけてデータを取り、足りない成分は緑肥で対応するなど、数字を出して農業の経験が少ない人でもわかりやすい仕組みにしています。

また、新鮮なものをすぐに届けることも大切にしています。一番早くて朝収穫し、夕方には届けています。

 


作業するスタッフの様子。

 

組織として成長できる

仕組みづくり

 

お客様の要望にどこまで応えられるかという点では苦労がありますが、天候のリスクを見込んで余剰生産を行うなど、きっちりした計画を立てて生産しています。そのためにも技術力や生産力を日々高めています。しっかり納め、安定供給することを続けていると、その評判を聞いて取引先が増える、という状況につながっています。

ねぎはやはり、12~3月はじめまでは甘みがよく出ます。ぶつ切りにして焼き、オイルをかけてしょうゆや塩で食べるのがおすすめです。ベーコンを巻いても美味しいですね。特に冬場は鍋に入れてたくさん食べてほしい。夏は辛味が残るのですが、美味しさは味わえるので、年間を通じて楽しめます。

今後は生産者一人一人の経営体を自立させることを目標に、雇用を入れながら組織として、成長できる仕組みづくりをしていきたいです。

 

 

農事組合法人New Innovation

千葉県山武郡横芝光町曽根合49

 

 

 

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