2018.04.09
赤身とサシのバランスのよさ
高知大学内で放牧されている牛たち。
土佐あかうしは、和牛4品種(黒毛和種、褐毛和種、日本短角種、無角和種)のうち、高知県内でしか改良されていない、褐毛和種・高知系と呼ばれる和牛。農耕牛として輸入された韓牛をルーツとし、長い年月をかけて食肉用種に改良されました。昭和19年に褐毛和種として認定され、その後も改良が進められています。褐毛和種には熊本系と高知系があり、高知系は褐色の毛に、目の周囲やまつ毛、鼻、尻尾の先などが黒いことが特徴で、この特徴により愛らしい外見が生まれています。
高知大学農学部では、土佐あかうしの飼育と研究が行われ、県と連携して頭数を増やす取り組みが進んでいます。
人なつこい性格でおとなしく、とても愛らしい牛。
元気にえさを食べる牛たち。
自然放牧、自然交配で繁殖させ、生後5カ月から牛舎で肥育をしています。
土佐あかうしの年間出荷量は、なんと500頭。和牛生産量のわずか0.1%で、「幻の和牛」と呼ばれます。高知県内で約2000頭しか生産されておらず、うち約90頭が大学キャンパスで飼育されています。高知大学と県、地域の畜産農家が協力し、種の保存や肉質改良に取り組んでいます。ブランド力を強化することにより、畜産農家の育成にもつなげています。
土佐あかうしのランプ肉。赤身とサシのバランスのよさがわかります。
28カ月齢ほどまで放牧肥育され、高知の恵まれた草と水で、ゆっくりと育てられた土佐あかうしは、赤身とサシのバランスがいいのが特徴です。赤身はきめが細かく、旨みが蓄えられ、グルタミン酸や甘みを感じるアミノ酸が豊富で、熟成させることでさらにアップします。サシは適度な量のため、脂っこくなく、融点も26℃と低い(黒毛和種は25~33℃)ことからキレのよい風味を感じられ、旨みがありながら、ジューシーな味わいがあります。
シンプルに味わうステーキや焼肉、モモ肉の赤身を生かしたローストビーフなど、赤身肉の旨みを堪能できる調理法がおすすめです。
株式会社三谷ミート
高知県香美市土佐山田町栄町11-3
tel:0887-53-5125
高知大学農林海洋科学部
高知県南国市物部乙200
tel:088-864-5114
http://www.kochi-u.ac.jp/agrimar/