2018.04.02
熟練の技でうつぼを食べやすく
しっとりとした白身で、料理の幅も広い。
黄色と黒の独特の模様があり、体長1mにもなる魚、うつぼ。「海のギャング」とも呼ばれるほどどう猛な魚として知られます。関東以南の日本近海に生息していますが、なかなか食べる機会がなく、その姿からも「どうやって食べるの?」と思われがちです。そんな中、高知ではスーパーなどでも売っているほど、うつぼがよく食べられています。
ただ、うつぼはぬめりがあるうえ、小骨がとても多く、大小の骨が入り組んでいて捌くのに特殊な技術が必要な食材。美味しく食べるためには、プロの技が必要なのです。
高知市のタカビシ食品では、混獲ではなく、うつぼ漁で獲ったうつぼのみを使用し、熟練の職人、町戸太さん(うつぼ料理研究所代表)が一尾ずつ手作業でさばき、骨を取り、すぐに料理に使えるよう加工しています。
独特の模様とぬめりがあり、小骨も多いうつぼ。
すばやい手つきでさばき、骨を取り除く。
皮の下のゼラチン質はコラーゲンたっぷりで、加熱すると甘みが増し、柔らかい食感になります。身の部分は臭みもなく、くせのない味です。3~4日間、熟成させると水分や生臭さが抜け、旨みが増し、薄造りにするとふぐ刺しのような食感になります。皮目のコラーゲン部分はぷりぷりとした食感があり、魚一尾でさまざまな楽しみ方ができるのが魅力です。
2日で100kgのうつぼをさばくという町戸さん。普通1時間ほどかかるが、1尾10分ほどで仕上げる。
うつぼのタタキやカットなど、すべて骨を取り除いた状態に加工した商品。
町戸 太さん(左)とタカビシ食品の足達 真也さん(右)。
「燻製、干物、西京漬のほか茶碗蒸し、南蛮漬け、なんでも合いますよ。うつぼは、アレンジのきく魚です」と話すのは町戸 太さん。先付けからごはんまで、うつぼを使ってフルコースができるほど、クセのない味がうつぼの魅力だといいます。
「うつぼのおいしさをもっと多くの人に知ってほしい」という気持ちを込めて、唐揚げなどに使える、骨を取ってカットしたものや、刺身用に骨を取って身を熟成させたものなど、誰もが使いやすいうつぼの商品を出荷しています。
株式会社タカビシ食品
高知県高知市南久保135
tel:088-883-5212
http://www.takabishi.jp