2018.03.19
高知を代表する爽やかな柑橘
温室で育てられている土佐文旦。受粉交配作業は人間の手で行っている。
高知の特産果物、土佐文旦。土佐文旦発祥の地と言われる土佐市宮ノ内地区の白木果樹園はこの地で100年以上の歴史がある最も古い農家です。土佐文旦の栽培は70年以上の実績があります。5代目園主の白木浩一さんは、大寒波の影響で、露地の土佐文旦が枯れてしまったことがきっかけに、ハウス栽培で文旦づくりを行っています。
文旦は温暖な気候のもと、太陽の恵みをたっぷり浴びて育ちます。春は露地の土佐文旦、夏は夏文旦、秋は水晶文旦、冬は温室土佐文旦と、四季によって栽培方法を変え、通年文旦を出荷しています。土佐文旦は直径10~12㎝という大きさで食べ応えも抜群。果肉の粒が大きくプチプチとした食感があります。
春の露地文旦は、酸味と甘味が調和して爽やかでフレッシュな味が特徴です。約3000本の文旦の木が育つ畑は、日当たりがよく、水はけの良い南向きの斜面に広がっています。寒暖の差が大きく、日照時間が長いことも、文旦作りに適しているといいます。
冬の時期に行うハウス栽培では、露地文旦と違い、独自の方法で人工的に水の管理ができ、糖度の高い、コクのある甘さの土佐文旦が栽培できます。直径10~12㎝という大きさで食べ応えも抜群です。
白木果樹園の5代目園主、白木浩一さん。
白木さんの趣味は文旦・柑橘研究。文旦の歴史や種類を調べるうちに、実際に育ててみたいと40種の文旦の仲間を育て、栽培方法の改良や工夫のヒントにしています。
「文旦を楽しみにしてくれているお客様のために、四季折々の文旦を提供したいですね」という白木さん。インターネットで直接販売することにより、お客様の希望や好みがすぐにわかるのもいいといいます。はしり、さかり、なごりと好みの食べ頃の時期(徐々に酸が抜けていく)やサイズ(小さい方が味が濃厚)を選べるのもお客様に好評です。
少し離れた畑ではグレープフルーツやレモン、ライムなども栽培。フィンガーライムなど珍しい種類のものも多く、白木さんの柑橘類への情熱が伝わってきます。文旦の食べ比べイベントを開催するなど、文旦や柑橘を世に広めるための伝道師としても活動されています。
土佐文旦(左)と秋に楽しめる水晶文旦。
斜面に広がる土佐文旦の畑。12月の収穫期には一面黄色になるそう。
4~5㎝の熱帯雨林地域原産の柑橘、フィンガーライムも栽培。
切ってみると、粒状のキャビアのような果肉が現れる。噛むと果汁がはじけ、香りと酸味が楽しめる。
バレンタインライム。切るとハート形になる。
果肉がピンク色のピンクレモネードというレモン。
白木果樹園
高知県土佐市宮ノ内435
tel:088-855-1352
http://www.buntan.com/