2017.10.25
人工栽培で、おいしく安全なきくらげが身近に
岡山県総社市のビナン食販では、約2年半かけて岡山理科大学と共同研究を行い、日本初となる白きくらげの人工栽培に成功しました。白きくらげは中国で古くから食べられてきたキノコで、繊細な見た目と味わいで高級食材として知られています。ミネラルが非常に豊富で美容や健康にも効果が期待されています。
これまで白きくらげの栽培は難しく、日本で流通していたのは全て中国からの輸入品でした。こちらでは収穫した白きくらげを機械で乾燥(65℃で 18 時間)し、出荷します。国産の白きくらげは安心、安全ということもあり、注目されている食材です。
「こちらの白きくらげはフルーティーな香りと独特の歯ごたえがあり、品質には自信があります。また年間を通して栽培、収穫ができるので安定して供給することができます」と代表取締役社長の安藤弘幸さん。
ビナン食販では黒いあらげきくらげも栽培、加工しています。
おがくずと栄養体を撹拌し、3kg ずつに袋詰めして菌床をつくり、120℃で加熱し、雑菌を殺します。そこにきくらげの菌を入れ、2 カ月培養したあと、菌床に切り込みを入れて刺激を与え、きくらげを発生させます。20~25℃、湿度 60% の環境で育て、約 1 カ月後に収穫します。
「ゆっくり成長させることで、ぎゅっと身の詰まった、肉厚でぷりぷりとした食感がうまれ、栄養も豊富なきくらげになります。こちらも年中安定供給することを可能にしました」と安藤さん。
あらげきくらげは生と乾燥を販売。岡山県内では和食や回転寿司のネタ、天ぷら、鉄板焼に使われています。
安藤さんのおすすめの食べ方は白きくらげのフルーツポンチとあらげきくらげの塩昆布&ごま油和え。さまざまなジャンルの料理に利用できます。
きくらげに適した環境で栽培を行い、ギュッと身の詰まった肉厚なきくらげを生産しています。